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高価・高性能だった過去~現在

私がヤマハを退社する直前に、課長から呼ばれて渡された資料には驚く内容が書かれていました。レビテーション技術の実用化と、ゴルフヘッド生産の可能性について詳しく書かれていました。

この技術は、大同特殊鋼という会社が、航空&宇宙関係産業へ欠陥無い部品を供給するために開発したようですが、ちょうどバブル崩壊と重なり、もくろみのゾーンでは需要が少なく、チタンブームのクラブヘッドでも作ろうかということだったようです。実験室レベルの話では可能かなと感じていましたが、工業生産できるところまで来ているとは驚きでした。

当時のチタンヘッドは体積が300cc程度。これが技術的限界でした。チタン合金は高温で溶解(溶けている状態)してもネバネバしていて粘性が高く、重力だけでは金型の隙間に流れていきにくい合金だからです。ヘッドの更なる大型化を考えると、出来上がったヘッド重量に制約があるので、さらなる薄肉化が必要でした。そのために金型を回転させながらチタンを流し込む、遠心鋳造が有力な技術と考えられていました。高温にすることで粘性は低くなっていきますが、今度はガスが発生しやすくなり、素材から沸いて出てきたガスによって、ピンホールといわれる小さな穴が表面に発生しやすくなります。これには今でもメーカーは悩まされているようです。また、チタンを流し込むときに外気を巻き込んだり、金型内のエアーが抜け切らず、エアー噛みといわれる欠陥が発生して、不良率を上げる原因となっていました。

この当時は不良率が高く、10個作って数個しか良品ができない状態で、価格が高くなる要因にもなっていました。大同の技術は、溶けたチタンの中へ金型をつけ込み、金型内を減圧して真空状態にするのです。このためエアー噛みはほとんど発生せずに、薄い部分にもチタン合金が流れ込み、欠陥が少なく大型ヘッドが生産可能になったのです。言い換えると設計の自由度が大きく上がったのです。大同特殊鋼製のドライバーヘッドはよく飛ぶ!性能が良い!と評価された理由は、そういうところにあったと思います。

時代は変わり、2008年で大同特殊鋼はゴルフヘッドを製造しなくなりました。中国が、円心鋳造という作り方で大量にヘッドを製造していく過程で「いいモノがで出来る時はこういう条件でやると出来るんだ」という成功体験を積み重ねることで、製造方法も新たな展開手法で一気に開発された感があります。やはり物をたくさん作ることで理解も深まり、コストと性能のバランスも整ってきたことで主流がそっちへ移り、非常に高性能だけれども非常に高価なヘッドはマーケットから弾き出されてしまったように思います。

チタン合金ヘッドの製造は装置産業です。チタンはとても酸化しやすい金属のため、溶解しているときには周りの環境をアルゴンガス等の不活性ガスにする必要がある。すなわち装置全体を収納する部屋を密閉しなければなりません。ゴルフ産業としては見合わないほど製造ライン建設には莫大な投資が必要です。比較的、安価な設備はやはり遠心鋳造とプレス製法です。

遠心鋳造で薄いヘッドを作るには限界があります。それを解決する手段として、エッジング技術が開発されました。具体的には、大型ヘッドを、まずは厚い肉厚で鋳造します。当然重く仕上がります。それを最適重量の195g前後にするために、チタン合金が溶ける溶液の中にヘッドをつけ込み、溶かすことで、薄く軽くする技術が急激に発達しました。これによるゴルフクラブの高性能化&低価格化は、目を見張るものがあります。

もうひとつはプレス製法です。これは厳格な成分調整と熱処理を経た、チタン合金の薄板を使用して4つ程度の部品を溶接してゴルフヘッドにする方法です。数年前に爆発的にヒットとしたカムイのヘッドはこの製法で作られていました。この技術に必要な装置は低価格ですみますが、製造のばらつきのコントロールが難しく、ゴルフクラブの形やライ角・ロフト角のバラつきが出易いのが難点でした。溶接部が多いため割れが発生しやすいという問題点も持っていましたが、現在もこの製法はメリットも多いため、主に日本で採用され発展しています。

製造法は十分発達してきた観があります。これからは、真に設計技術が有るか無いかがメーカーの生き残りに直結する時代になったという気がします。

《NEXT》→『低価格化の中での技術革新

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