スライス・フックの原因とゴルフクラブ

ゴルフクラブのライ角が原因

ゴルフクラブのライ角の狂いはスライスやフックの原因となる場合があります。

ゴルフクラブのライ角度は、ボールの方向性と球筋に影響しますが、最適値は普遍的に決まったものではありません。身長や腕の長さ。スイングプレーン、シャフトの長さや硬さなど、様々な要素が関係して、一人一人に最適なライ角度が存在します。

但しライ角度は、ロフトの少ないロングアイアンやウッドでは大きな意味をもちません。特にロフトが10度前後しかないドライバーは、1～2度の変化では球筋に影響はありません。反対にロフトの多いショートアイアンは、0.5度の変化でも大きな影響があります。

あなたは、ご自分のゴルフクラブのライ角をご存じですか？国産メーカー商品は、身長が170センチ位の標準的な日本人を想定しており、身長が高いアメリカ人が使うこと想定したアメリカ製は、更にアップライトになっています。

【写真1】フェースは真っ直ぐ向いている

最適なライ角のゴルフクラブでインパクトした場合は、フェースがターゲットを指しているので、思った方向にボールを打ち出せます【写真1】

【写真2】フェースは左方向を向いてしまう

例えば、身長150センチの人がアメリカ製のゴルフクラブを持った時は、フェースが左に向いてしまい、ボールは左に飛び出してしまいます【写真2】

この場合ソールのトウ側（先端）が浮いているため、クラブヘッドが返りやすくボールにはフック回転がかかり、落下点は大きく左にそれてしまいます。これを調整するために予めフェースを開いて打っている人が多いです。

これで打ち出し方向は修正されますが、ロフトが大きくなっているので、弾道も高くなりすぎ、飛距離が出ません。

【写真3】フェースは右方向を向いてしまう

逆に身長190センチの人が日本製のゴルフクラブを持った時は、フェースが右に向いてしまうのでボールは右に飛び出します【写真3】

これを調整するためにクラブヘッドを大きく返して打っている人が多いです。またソールのヒール側（つけね側）浮いているため、クラブヘッド先端が地面に引っかかって抜けが悪くなってしまい、ヘッドスピードも上がりません。

このように自分にマッチしたライ角のゴルフクラブを使うことは、ゴルフスイング中の小細工をせずにゴルフスイングを固めるためにも本当に大切です。

しかしこれを見つけるのは大変です。やはりゴルフスイングとゴルフクラブ両方のことを、十分に熟知している専門家に相談するのが近道です。幸いなことに日本製アイアンは軟鉄鍛造製が多く、専門工具があれば簡単にライ角、ロフト角を調整でき、調整料金もそう高くありません。高価な鍛造アイアンなのに1回も角度調整をしたことがない方も多いはず。今自分がどんな角度のゴルフクラブを使っているか、測定してもらう事をお勧めします。

しかし、お店でアイアンのライ角フィッティングをやっても、全く結果に変化がなく、左に引っかけフックボールがでたり、右にプッシュアウトスライスがでたりしてしまう場合は、ゴルフスイングに原因があると考えなければいけません。どのような弾道になるかは、ゴルフスイングとゴルフクラブのライ角度両方の要素があります。ゴルフスイングの悪さがライ角度のミスマッチより勝っている場合は、ライ角度だけを調整しても、望む結果にならない場合もあります。

大手メーカー製のゴルフクラブで、ライ角が狂っている実例は『新品ゴルフクラブの精度検証』に動画で掲載しています。

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