ゴルフクラブメーカーの実態と評価
ゴルフメーカーの真実と評価
ブリジストン評価評判・口コミ
ブリジストンはタイヤが本体としてあって、今は分社化してブリジストンスポーツとしてやっているが、ゴムの流れで昭和10年にはゴルフボールの製造を本格的に始めていて、歴史も長い。それに伴ってゴルフクラブ製造・販売の歴史も長く、1970年代後半からレクスターブランドが立ち上がり、代々それを使っていたのだが、その後、ジャンボ尾崎と組んでJ'sというブランドの大全盛期を迎えた。
ジャンボ、直道、倉本、湯原、羽川と、そうそうたるメンバーが契約プロとして看板を背負っていて、その当時は契約プロから入ってきた技術で作るゴルフクラブと、全く違う、技術屋さんがゴルフクラブとしてあるべきものは、こういうゴルフクラブがいいんじゃないかという提案系のゴルフクラブと、バランスよく商品としてやっているメーカーだった。
私が業界に入った頃は、ゴルフクラブは11本でいいという、オールターゲットイレブンというコンセプトを打ち出したりしていて、現在のコブラのトランシジョンと同じようなゴルフクラブを、もう20年も前に出していて、当時はすごいなと思っていた。昔はボールからくる利潤が大きくて、経営的にかなり余裕があって、そういうことに手が回せていたのだろう。
ジャンボモデルのメタルドライバーというのが発売された時がセンセーショナルで、メタルなのに当時1本7~8万円した。
グラファイトデザインが作ったすごく高級シャフトが入っていて、ジャンボに出していたゴルフクラブとほとんど同じゴルフクラブだったらしいのだが。ものすごく売れて、ほとんどの人は打てなかった。ロフトは9°と書いてあったが、実際には7.5°くらいしかなくて本当にレプリカだった。
で、憧れで買った人達が玉砕していったという時代もあった。おまけに売れちゃったものだから、ジャンボが好きというだけで、本来持つべき人でないゴルファーも買っていまい、すごくいい高弾性カーボンを先端側にたくさん使っていたので、弾性域が薄いのですぐ折れて、全国でバカバカ折れて、とんでもない大クレームになって、ものすごく売れたけれどロスもあったんじゃないかというモデルもあった。
今や当たり前になったゴルフスイング診断システムをいち早く作って、サイエンスアイという機械を普及させたのもブリジストンだから出来たのかもしれないし、そういうデータ的な視点からゴルフボールやゴルフクラブを作っていたという側面があったと思う。
アイアンは遠藤製作所にまかせっきりという印象で、ジャンボとブリジストンの人が打ち合わせをするのに、遠藤製作所の専務(現社長)が作業着を着て同席して、ジャンボがいろいろ注文する事に対して、ブリジストン側もわからないので、結局、直接遠藤の専務が全部やり取りして、何度もプロトタイプを作っていた。
当時の専務が直接削れたわけではないと思うが、形を伝えて、それを商品化する能力が遠藤製作所にはあって、非常にセンスが良かった。空気が読めていたというか、あの方が出したものは全部売れた。そんな状態だったから、ブリジストンの社内に果たしてわかる人間がいたんだろうか?という状態だったと思う。そういう背景もあってか、ちょっと動いている地域が違っていたのかもしれないが、海外の制作拠点ではブリジストンの関係者とは会う機会がほとんどなかった。
ジャンボ尾崎の借金問題が切っ掛けになって、あまりいい状態でなく離れる事になった。ブリジストンとしては、ジャンボブランドでずっとやってきたから、新しい柱や広告塔が必要だったが、結局ジャンボを補うほどのカリスマは当然いなかったワケで、しょうがないからツアーステージというブランドを立ち上げて、それを色々なプロ達に使ってもらう事で、なんとかツアーステージのブランドを上げていくという手法を取ったように見える。
ブランド形成には、ある一定の成果はあったと思う。ただ、あまりにもツアーステージはプロが使う物というイメージが付き過ぎてしまった感もあって、一般のゴルファーが打てるもんじゃないよね。という空気が何年か経過した頃には形成されてしまい、さらに契約プロの達の高齢化や不振も重なり、イメージ戦略も含めてツアーステージの売りというのが厳しくなってきている昨今である。
その流れからViQというブランドを、ゼクシオのような形で形成して、そこにはジャンボの次にゴルフ業界に影響力を持つプロゴルファーと言われた宮里藍という広告塔を立て、夢よ再びというリノで、ViQも一時期相当売れた。
しかし残念な事に、今はそういうものが総崩れ状態で、ViQというブランドに何のイメージもなくなってしまった。
ゼクシオの様な「おじさん達のゴルフクラブ」というイメージもないし、ツアーの方でもパッとしない人が多く使っているという感じ。活きのいい人はマネーの投下量の差なのか全員海外ブランドに取られていて、それがそのままメーカーのイメージに直結してしまっていると言えよう。
ゴルフボールとしては、タイトリストのV1が出てからは、非常に苦しい状況にある。好みはあるが、打つ人が一番わかるのではなかろうか。ボールを含めた総合ゴルフメーカーとして君臨はしているものの、ゴルフボール以外は、あまり自社で作っているイメージが持てない。ゴルフクラブの自社製造という部分が薄いなぁ、という印象が強いゴルフクラブメーカーだ。
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