ゴルフクラブメーカーの実態と評価
ゴルフメーカーがメーカーでなくなる?
ゴルフクラブメーカーがメーカーでなくなる?
15年以上前に、私がゴルフメーカーで設計に携わっていた頃にすでにこの流れは始まっていましたが、近頃の大手ブランドのゴルフクラブは自社工場で生産されていない事がほとんどで、ゴルフクラブの評価だけでなく、どの様にゴルフメーカーを捉えて、どの様に評価していくのかも難しい時代になってきました。シャフトメーカーがシャフトを製造し、ヘッド製造メーカーがクラブヘッドを製造する。グリップメーカーがグリップを製造する。
ゴルフクラブメーカーはそれぞれのパーツを集めて組み立てるだけ、という状態になっているのが現実で、名の通ったブランドほどその傾向は強いと言えるかもしれません。
今では組み立てだけを専門に請け負う会社があり、繁盛しているという噂も聞きます。資本の大きい有名メーカーのゴルフクラブほど、自社で何かをやることを極力放棄して、企画設計と販売戦略をたてる商社体質になってきているのです。
これだけ様々なパーツが、性能に対して複雑に影響し合っているゴルフクラブなのに、パーツごとの品質管理を含め、このような作り方で本当に品質が保てているのか、個体差は大丈夫なのか、真剣に疑問に思うことがあります。ゴルフクラブメーカーごとに、1本のゴルフクラブを、マネーを産む単なる商材と捉えているのか。それともゴルファー1人1人の事を考えて設計・製造をしているのか。表立って把握する事は一般的には難しく、雑誌やTV広告の露出量や、プロの帽子やキャディバッグで、ロゴをよく見るとか見ないとか、そういった単純な事で、ブランドイメージを個々人が形成し、そのイメージを引きずってゴルフクラブそのものまでを評価する傾向があります。
当然ですが、これは非常に危険な事です。
低価格戦争に勝つためには、この様にどんどんコストダウンさせていく必要があるのは理解出来ますが。一方ではゴルフクラブメーカーのイメージはあるけれど、実態としてはメーカーではない会社がたくさんある事も知って、本当にゴルフクラブの事を真剣に考えている本物のゴルフクラブメーカーの中から、長く使える本物のゴルフクラブを選んで欲しいと思っています。
また、○○のメーカーだったら大丈夫。という様なゴルフクラブメーカーでくくって、何でも大丈夫的な神話も現実的ではありません。その様な評価や評判は無視すべきです。
あくまで特定モデルのゴルフクラブが良くて、たまたまそれが○○というメーカーだったというだけで、同じメーカーでも別のモデルを手に取ればハズレという評価だったり、仮にクラブヘッドが同じモデルでもシャフトによってハズレという評価になったりする。しかもそのハズレが、別のゴルファーにとっては当たりだったりするワケで、評価をするという事自体も、どこから何を見て評価しているのか、その判断基準を自分自身が見失わないことが大切です。
いずれにせよ、ゴルフクラブを考えて、設計して、製造して、商品化するまでを全部自社で行うメーカーは、とても少なくなりました。
※具体的なゴルフクラブメーカーの評価は『ゴルフメーカーの真実と評価』から、ゴルフクラブの評価は『ゴルフクラブの真実と評価』から、閲覧下さい。
《NEXT》→『ゴルフクラブのアパレル化』