スイング理論とアメリカ武者修行
「アカデミー」であり続けるために、ゴルフクラブとゴルフスイングの最新理論を習得
アメリカでゴルフの研修を受ける事は、私が札幌西高校のゴルフ同好会で本格的にゴルフを始めてからの念願でした。北海道大学のゴルフ部時代は、学業と試合に追われ実現せず、就職し、ゴルフクラブを設計する環境にあっても、サラリーマンで2カ月近い長期の休みも取れるはずもなく、夢のまま実現する事はありませんでした。
退社後、地元の札幌でオーダークラブの店を94年にオープン。店名に「?工房」ではなく「アカデミー」とつけたのは、単なるゴルフクラブ屋ではなく、ゴルフクラブというハードウエアと、ゴルフスイングというソフトウエアの両方を、お客様にサービスできる総合的な店にしたいという考えからでした。
ゴルフクラブメーカーでの経験から、ゴルフクラブの事は完璧に理解しているつもりで始めたのですが。現実にお客様と1対1で対話し、ゴルフクラブを製作し、それを使用したお客様からの感想をダイレクトに受け止めるほど、ゴルフクラブフィッティングの奥深さに驚き、自分自身の未熟さも痛感しました。そんな驚きと発見の日々で、5年間があっという間に過ぎてしまいました。この間にゴルフクラブとゴルフスイングの関係についての理解は格段に深くなり、ゴルフクラブフィッティングに関する自信もつきました。しかし、ゴルフクラブだけでは良い結果が出ないお客様もたくさんいるというのも実感しました。
ここ数年でゴルフクラブは大きく変化しました。クラブヘッドは大型化し、パーシモン150ccがチタン315cc、シャフトは軽量化が進み、スチール120gがカーボン38gにまでなっています。この様なゴルフクラブの変化に、ゴルフスイング理論の変化が追いついていないと感じています。アメリカ研修は、新しく進化し続けるゴルフクラブと、それにマッチしたゴルフスイングを探し、自分自身のレベルアップを目指して行ってきました。
全行程45日間のうち、最初の3週間は、ユタ州セントジョージのマイク・スミス(ユタ州のティーチャー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた事があり、ゴルフ理論・ゴルフレッスンに対する思想がしっかりしている)に弟子入りし、ゴルフスイングに関する議論、実践練習、ラウンドで一日が過ぎていく、充実した日々を過ごしました。
その後、サンディエゴのフジクラUSA訪問&工場を見学し、アメリカのゴルフメーカーの現状を視察。そしてパームスプリングスで、ジムマクリーン・ゴルフスクールなど、いくつかのゴルフスクールを体験し、システムの素晴らしさを実感しました。この研修で面白かった事、皆さんのお役に立つと思われる情報を、ご紹介していきます。
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