中古ゴルフクラブ・ネット・並行輸入
中古ゴルフクラブの問題点
中古クラブ 調整済みライ角問題
当店にフィッティングにいらっしゃったお客様で多いケースですが。今お使いのゴルフクラブを測定してみると、ちょっとあり得ない数字になっている事があります。
そこで「このゴルフクラブは新品でご購入ですか?」と聞くと、大概は「このゴルフクラブは中古で買いました」と。「これは前のオーナーが、相当ライ角をいじってますね…」と言う話しの展開が定番的によくあります。そしてそういう方のゴルフスイングを拝見すると、自分に合っていないゴルフクラブを使って、何とか結果を出そうと頑張って崩れてしまったゴルフスイングだな。という印象を受ける事が多々あります。
これは十分、中古のゴルフクラブを買うリスクですよね。せめて当店でライ角フィッティングだけでも受けた方がいいでしょう。これも誤解が多いのですが、ライ角はカタログ値に整えれば良いというものでもありません。当店にも「カタログ値にライ角を調整して下さい」というお客様がいらっしゃることがあります。カタログ値もメーカーが設定した「このゴルフクラブを使うであろう人物像」を、ある意味適当に決めて設定した物に過ぎません。
例えばあるメーカーのアスリートモデルが、身長175cmの人物を設定してライ角を決めたとしても、実際に使う人の腕の長さが標準体型より長かったり短かったりすれば適正なライ角は変わります。また、いかり肩やなで肩などでも結果的に構えた時の腕の長さに影響が出ますし、足の長さの長い短いでも当然変わってきます。適正なライ角というものは、個人ごとに違っていて、ライ角1度の差は球筋に大きく影響します。たった1度と数字は小さく見えますが、それが150y先に対してという話しになればどんどん目標に対して大きなブレとなってボールはズレて着弾し、またそれにサイドスピンがかかっていれば、ランが出たときに更に目標からボールが遠ざかる事にもなりますので、手に取ろうとしている中古のゴルフクラブが、どういうライ角設定になっているのかは、皆さんが考えいてるより重要だという認識を持たれるといいと思います。
最近はライ角調整という言葉も一般的に通じるようになってきた反面、そういう個別の調整が入っているゴルフクラブを、中古品としてそのまま手に取ってしまうことも考えられます。
例えばアイアンを自分用に調整して使い続けて、それを手放す時に、わざわざカタログ値の角度に戻して売る一般のゴルファーはいないでしょう。戻すのにも調整料が必要なワケですから、それはしないでしょう。それにライ角の状態は大手中古ゴルフクラブチェーン店でもチェックされず、変更調整かけたライ角を戻しても戻さなくても、買い取り価格には反映されないのですから、お金をかけてわざわざ戻してまで売る人はいないと考えるのが普通だと思います。
それを掴んだ次のオーナーは、ゴルフクラブがいわば曲がった状態で手に取るワケですし、そういった基本情報なしでゴルフクラブを買い、そのまま使うことは極めてリスクがあるという事になります。もちろんそういった、自分の体型や体格に合っていないゴルフクラブを使う事は、ゴルフの上達に全く適していない状態であることは十分ご理解頂きたいです。
よく「練習で下手を固める」などという言葉がありますが、こういう自分に合っていないゴルフクラブを使ってしまっては、いくら一生懸命に、ゴルフに前向きに、真剣に、正しく練習をしても、飛んでいくボールは曲がるのです。ゴルフクラブに合わせれば、曲がっているゴルフスイングが正しいゴルフスイングだったりするのです。でもご本人は曲がったゴルフクラブで真っ直ぐ打とうとするので、ゴルフスイングを歪めないと真っ直ぐ打てません。これを続ければまさに「下手固め」になってしまいます。
まず、どんなゴルフクラブを持つか?それが大切です。年に2~3度のゴルフで、その場をエンジョイしたい方はそれで十分だと思います。しかし、本気で上達したいと考えているゴルフに真剣に向き合おうとしている時にこういうリスクをわざわざ自分から背負う必要はないと思います。アイアンを手にとって構えた時に、「このゴルフクラブちょっとアップライトだね」「ちょっとフラットだね」と言える方は問題ありませんが。そこまでゴルフクラブのスキルがある一般的なゴルファーの方が、一体どれだけいらっしゃるのか…心配です。
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