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ゴルフクラブとライ角

製造メーカーとの交渉経験談

私はメーカーの開発者として鍛造アイアンの担当だった時に、日本の大手ヘッド製造メーカーから出荷されてくるクラブヘッド単体の精度のばらつきがあまりに大きかったので、そのメーカーに対して、精度アップに対する規格変更を持ちかけました

同じ番手のアイアンヘッドでも、重量はバラバラ。もちろんロフト角もライ角もバラバラ…。私の個人的な感覚では、それはもうユーザーへの裏切り行為に近いと思えるほどの精度の低さだと感じていましたので、メーカーとして交渉したつもりでした。が、あっさりと断られました。

「ジャンボ全盛期でバカ売れしていた某メーカーも同じ規格でばらつきを認めているんだから、このままの規格で十分のはずだ。規格を厳しくするならヤマハのゴルフクラブはもう製造しない

と言う返答でした。その時はそのメーカーにクラブヘッドを作ってもらわないと、自分達も困る状況でしたので引き下がる事しか出来ませんでしたが。ゴルフクラブ製造の根底はこんな程度なのかと、とても落胆した記憶が鮮明に残っています。

こういった製造工程での角度の誤差は、ライ角だけ、ロフト角だけという単体ではなく、合わせて同時に発生するというのが現実です。鍛造で精度が高いヘッドが出来上がっても、今度はシャフトを挿す部分のボーゼルの穴開けがちょっとズレただけで、仕上がりの1°という角度はいとも簡単にズレます。もちろん、ズレないように作ることは技術的には十分可能なのですが、メーカーが工業製品として、それを安価で大量に作ろうとすると、どこかに妥協が必要になってくるのも事実でしょうが、結局はやる気、すべてはやる気なのではないでしょうか。

《END》

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