ゴルフクラブメーカーの実態と評価

ヨネックス イーゾーン（EZONE）タイプ380 ツアーAD DJ-7S

前モデルのDIが、中調子で一本調子のシャフトだったので、ちょっとたわみが出過ぎるとヘッドが遅れて出てきて、プッシュアウトが出やすかった。EIを正確に覚えていないのだが。打った感じは手元側と先側に2つのキックポイントがある。どっちのキックポイントの方が強く利くかというと、このシャフトは手元側が結構硬くて、あまり動かない。一方でそんなに大きくはしならないが、先端側の剛性的に少し落ち込みがあるタイプのシャフトだ。

ある程度硬いシャフトで、フジクラの多軸繊維が使われていなかった頃の古い時代のテイストで、実はそれが日本人的には振りやすいシャフトだったりする。一般的に振りやすいと評価されるシャフトは、大筋そういうテイストが多くて、同じ2キックでも手元の方に大きい緩みがって、先はちょっとしか動いていない2キックもあったりして、特徴は様々だったが、真似たワケではないにせよ。これはある意味古典的な部類。DIの改良点として、手元側を止めたら今度はしなりがなくなって、じゃあどこかにもう1つしなりを作ろうかって事で、先側にしたという流れだったものと想像出来る。気付けば昔のフジクラの発想と同じだね。みたいな感じで多軸繊維に流れたが、またこういう感じに戻ってきて、歴史は繰り返すという。そんな感じもある。

とにかくクラブヘッドが小さい。すごい昔の洋なしパーシモンの形状そのもので、ネックの作りまでそれっぽく作ってある。その昔パーシモンからの移行期に「形がすっきりしないね」って思っていた見た目にこだわる人が結構いた。移行期には確かにこういう形状もあった。今はほとんどなりを潜めて消えていたけれど、また出てきましたねという感じ。何かアパレルと同じイメージがあるな。一巡してきたねという形。

打って思う事は「別にこれくらい小さくても何の問題もないね」という事。真ん中に当てる技術のある人にとっては、そういう面もある。ただ、やっぱりスウィートスポット外した時は、大きいのに比べると差が出る。ただ力一杯振ってるだけで、スウィートスポット関係ないですよっていうゴルフクラブを持って、今結果が出ているゾーンの人達にとっては、このゴルフクラブを持ってもメリットは全然なくて、前のより曲がる様になっちゃったね。みたいな話になる。

これはボールを置きにいくイメージのゴルフクラブかなと。そういうのは凄く打ってて分かる。球を操作したい人がこういうのを作ってくれ、みたいな話が出たのかもしれない。操作性を重視しているイメージが非常にはっきりあるゴルフクラブで、見た目と結果が一致している。真ん中に当てる技術がある人で、大型クラブヘッドが嫌ならこういう選択もある。別に大型ヘッドでも真ん中に当たるし、真っ直ぐもいくし、良く飛ぶんだったら、特段小さいヘッドに戻るというメリットはないかなと思うけれど。

やっぱり、どんな上手いゴルファーでもミスヒットをするわけで、そういう時に大きいヘッドはミスヒットに寛容っていうのは間違いなくある。10年くらい昔に戻ったヘッドに、現代の良いシャフトが付いているモデルという印象。

2011.6.29

※表中の『ゴルフスイングの分類』は、北市秀男式ゴルフスイング6分類に基づいて解説しています。詳細に関しては、表中のリンクから飛ぶことができます。

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