ゴルフクラブメーカーの実態と評価

タイトリスト VG3 ドライバー VGD/R

クラブヘッドの形状は良い感じだと思うのだが、タイトリストの910を見ていると首が太いので、今回のVG3は比較論で細く感じてしまうという職業病的な感覚がある。スッキリしているのが好きというゴルファーには良いと思うが、ある意味頼りなくも感じるかもしれない。

振った感じはバックスピン量もちょうどいい。元祖VG3はバックスピンが多めで、VG3Cはバックスピンが下がったが、つかまりが悪くなったという流れだった。今回のモデルはバックスピンの下がり、つかまりも適正になったという感覚。Rシャフトの11.5度を打って、この数値が出るというのは飛距離的なメリットが大きい事を意味していると思っていい。個人的にはSシャフトの9.5度が打ってみたくなるデータだ。

写真には収まっていないが、気温や私の個人的体調でガッチリ叩けない状態の中で、ボール初速が60m/sを超えているデータもコンスタントに出ているので、ヘッドスピードがあまり速くないゴルファーでも、このゴルフクラブは上手くいく可能性が高いと感じられる。イメージとしては、感じ肉薄のヘッドを打っている感覚がある。特定の場所が薄くてロスしている感覚ではなく、ボールがぶつかって、クラブヘッド全体がその衝撃を受け止めて、球を出している様な感じがあるので、設計が非常に上手くいっている印象。ちょっとキャロウェイのレガシーっぽい感じがある。

20gのウエイト配分の位置など割り切った独特の設計思想を持っているが、ボールのつかまりも右には行かないが、左に引っかかり続けるというワケでもなく、常識的な範囲で納まっているゴルフクラブと言える。11.5度のフレックスRという前提で言うならば、もう少しつかまってもいいくらいだ。XXIOなどを私が打つと巻き込みフックが出る。それを使えばスライスが消えるというゴルファーは当然いるのだが、そういうゴルフクラブを持った時点で、その人のゴルフスイングが終わるし、本来の自分の能力が出し切れなくもなるので、このようなゴルフクラブの方がいいかもしれない。

シャフトは軟らかくて楽だという印象はない。シャフトの手元が太く手元剛性が高い事が原因だと思われる。人間はテークバックからダウンスイングの切り返しのところで、シャフトの硬さを判断しているといっていい。VGシリーズは手元がしっかりしているので、そこを集中して拾ってフィーリングとして感じているゴルファーは、フレックスがRでも比較的しっかりしている感じ方になるはずだ。ある意味手元側を緩めてしまうと、シャフトとして結果の安定がなくなり、ゴルフスイングの再現性の方を求めてくる様になるので、このゴルフクラブは安定しているゴルフクラブとも言えるし、意外と43～4m/sくらいまでの高いヘッドスピードでも対応出来そうな感じだ。

私はこのままコースに持って行けといわれれば使えるくらいの感じなので、強気の人はSを取り、そうでないゴルファーはRという事でいいかと思う。シャフトの感覚としてはシリーズ全体で揃っていていいと思う。

2012.1.23

※表中の『ゴルフスイングの分類』は、北市秀男式ゴルフスイング6分類に基づいて解説しています。詳細に関しては、表中のリンクから飛ぶことができます。

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