ゴルフクラブメーカーの実態と評価

キャロウェイ レガシーアペックス ツアーAD DJ-6S

前モデルのDIが、中調子で一本調子のシャフトだったので、ちょっとたわみが出すぎるとヘッドが遅れて出てきてプッシュアウトが出やすかった。EIを正確に覚えていないのだが、打った感じは手元側と先側に2つのキックポイントがある。どっちのキックポイントの方が強く利くかというと、このシャフトは手元側が結構硬くてあまり動かない。一方でそんなに大きくはしならないが先端側の剛性的に少し落ち込みがあるタイプのシャフトだ。

ある程度硬いシャフトで、フジクラの多軸繊維が使われていなかった頃の古い時代のテイストで、実はそれが日本人的には振りやすいシャフトだったりする。一般的に振りやすいと評価されるシャフトは大筋そういうテイストが多くて、同じ2キックでも手元の方に大きい緩みがって、先はちょっとしか動いていない2キックもあったりして特徴は様々だったが、真似たワケではないにせよ、これはある意味古典的な部類。DIの改良点として手元側を止めたら今度はしなりがなくなって、じゃあどこかにもう1つしなりを作ろうかって事で、先側にしたという流れだったものと想像できる。気付けば昔のフジクラの発想と同じだね。みたいな感じで多軸繊維に流れたが、またこういう感じに戻ってきて歴史は繰り返すという。そんな感じもある。

ゴルフクラブとしては総合的にいいんじゃないかと思う。ゴルフスイング中のクラブヘッドの位置も良くわかるし、シャフトがいいって事だと思う。シャフトの特性を強く拾っている可能性もあるので、このクラブヘッドが全部ロースピンとは限らないが、クラブヘッドの構造に対してバックスピン量が結構低く出るのも特徴的。バックスピン量が2000回転ちょうどという数字も出ていたのでロースピンクラブに仕上がっている。シャフトの選定を間違えなければ一定の性能が得られそうだが、標準シャフトを力のある人が使っちゃうと問題が出る可能性もあるので注意したい。

クラブヘッドはボールが上がるだろうなというイメージの形。クラブヘッド内部に仕組みがあるのかもしれないけど、ゴルフクラブとしては奇をてらった特殊なイメージはなく、過去のゴルフクラブの延長線上で進化している印象。全然芯を食わなかった先っぽに当たった時でも距離5%落ち程度で真っ直ぐ飛ぶ。とにかく速く振れば勝ちという印象だ。

構えたて上から見た時に若干シャローに見える。実際にはそれほどでもないのだがクラウンの周囲の曲面からそういう印象を受けているようだが、気になる人はいないだろう。

2011.6.22

※表中の『ゴルフスイングの分類』は、北市秀男式ゴルフスイング6分類に基づいて解説しています。詳細に関しては、表中のリンクから飛ぶことができます。

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