ゴルフクラブ選び方の基本
ドライバー選び方の基本
ドライバーの重心角の重要性
メーカーの設計で重要視されているのは重心角です。この数字が、ボールのつかまりに非常に重要であることが認識されてきて10年以上経ちます。この数字に着目したのは、ゴルフクラブ設計家の竹林隆光氏です。ロングアイアンがつかまりにくく、ショートアイアンがつかまり良いのは何故だろう?という疑問が、この数値発見のスタートと聞いています。
プロモデルアイアンの#3とPWをクラブヘッドが自由に動く状態で並べると、リーディングエッジが傾いてクラブヘッドが静止します。
これはクラブヘッドの重心が地球の重力でシャフト軸線に入り込むことにより起こります。この傾いた角度を重心角と呼びます。傾きを比較してみると、PWの方が大きく傾いています。傾きの大きいクラブヘッドほどボールがよくつかまるのです。この傾きは重心深さと重心距離の関係で決まってきます。アイアンの重心距離はそれほど変化がないので、#3とPWとの違いは重心深さになります。PWはロフトが多いため#3と比較して重心が深くなります。このため重心角が大きくなり、ボールがつかまりやすくなっているのです。
ロングアイアンを打ちやすくするためにソールを幅広にしたり、グースネックの度合いを大きくしたモデルが発売されました。近頃ではさらに重心を深くするためにポケットキャビティが流行になっています。これによりロングアイアンが昔のミドルアイアンと近い感覚で打てるモデルも出てきました。
この理論はドライバーにも採用され、スライスの出にくいドライバーが開発されてきました。大きな重心角と短めの重心距離が、つかまりの良いドライバーの目安になります。重心角が20度前後あり、フェース厚が45ミリ前後のディープフェースで重心距離が短めのドライバーはスライス防止に効果的です。スライス系より捕まったドロー系の方が強い球で遠くに飛びます。残念ながら前述のように短い重心距離は方向安定性に難があります。飛ぶドライバーは機能的に安定したゴルフスイングを要求するものが多いと感じています。
ゴルフスイングが安定した上級者には大きな恩恵となる可能性がありますが、ゴルフスイングに安定感がないプレーヤーが使用すると、マイナスに働く可能性もあるようです。
現在は、カタログやゴルフ雑誌にも人気モデルの重心データが公表されています。ドライバーヘッド選びの目安にしてください。
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