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ゴルフクラブメーカーの実態と評価

ゴルフメーカーの真実と評価

PING(ピン)評価評判・口コミ

日本のゴルファーも、今やっとフィッティングという意味や意義を感じ初めています。しかし今から約40年も前から、ゴルファーの身長や体格に合わせたゴルフクラブを提供し続け、フィッティングという概念を貫いている大手メーカーがあります。そのメーカーはPING(ピン)です

PINGというとパターメーカーだと思っている方が、まだ日本では多いと思います。当店でもPINGのドライバーやアイアンのお話をすると「えっ?」 という顔をされるお客様がたくさんいらっしゃいます。意外かと思われますが、PINGはアメリカ本国でトップシェアと言えるブランドで、この事は日本に住むゴルファーにとってイメージと大きく違う驚くべき事実でしょう。

今はPINGゴルフジャパンという現地法人が窓口になって徐々に改善していますが、PINGが過去に委託していた日本の代理店が国内展開に積極的でなかった事もあって、日本でのピンの知名度は過去の失敗を引きずって、今も低いままにあります。しかしPGAツアーなど海外の中継をご覧になれば一目瞭然ですが、TVに映らないプロを含めれば、一試合に出場している実に半分近いプロ達がPINGのゴルフクラブを使っていると言って過言ではない状況にあります。

プレーヤーのキャップでPINGのロゴもよくご覧になると思います。米国の大学でゴルフをやっている人の大多数がPINGから用具供給を受けているような状況で、その流れでプロになってもPINGを使い続けるケースが多い様です。ロレーナ・オチョアなども引退前は学生時代から使い慣れたPINGに戻り、メーカーとも契約した経緯などもありました。

以前は自社生産に特徴があったPINGですが、2011年現在ではほとんど中国製に移行しています。一部は仕上げが難しいモデルなどは、まだ米国のドルフィンで製造している様ですが、パターヘッドの多くも中国で製造されているのが現状です。

国内で正規品として流通しているゴルフクラブの組立は東京都北区で行っていて、アジアとヨーロッパに出荷されている製品は全部、日本で組み立てられているゴルフクラブです。個別のシャフト長さ、個別のライ角、個別のグリップでーオーダーされたゴルフクラブを組み上げる作業は、やはり日本人の手が確実という事なのでしょう。そして組み上げられたゴルフクラブには1本ごとにその人だけの管理製番が刻印されます。この製番はデータとして残り、後に8番のアイアンだけを注文しても同じスペックでカスタマイズされて手元に届きます。価格・性能・スピードなどを総合して、ここまでやってくれる大手メーカーはPINGだけかな。という印象です。

えいやぁ~、で作られた大手有名メーカーのアイアンセットと、カスタムフィッティングをして、それに合わせて個別に作り込まれたPINGのアイアンセット。実のところ値段は大きく変わらずお得です。どちらがゴルファー本人にとっていい買い物でしょうか。当店でもフィッティングをさせていただいた結果、既製品でこと足らないお客様だった場合に、ピンをお勧する事がありますが、その理由もご理解いただけると思います。

2006 PING本社フィッティング研修レポート

PING本社フィッティング研修レポート 写真1 2006年1月23日
出発前日になりました。3年ぶりのアメリカです。 天気が心配ですが、何とかなることを期待しています。PING(ピン)の本社はアリゾナ州の州都フェニックスにあります。田舎町を想像していましたが、ここ数年で急激に開発され人口も増えて、全米第6の都市になっている様です。交通量も多いとなると気軽に車を借りて運転する事は難しいかもしれません。とりあえず国際免許だけは持って行きます。

スケジュール表を見ると朝7:30~17:30までびっしり埋まっています。結構ハードな研修になりそうな予感です。

現地、米国2006年1月22日の午後6時フェニックス到着。
関東地方の雪の影響で、成田発の飛行機が3時間以上遅れ、それが原因で乗り継ぎ便が上手くいかず到着が大幅に遅れてとにかく疲れた…。翌朝は7:00集合なのでとにかく寝ようとベッドにはいるが、眠れない。完全な時差ぼけ!結局少しうとうとしただけで部屋を出る事になりました。

現地2006年1月23日
USA PING社のフィッティング研修講師のスコットさんの挨拶のあと、用意されたバスに乗りクラブヘッド製造工場(ドルフィン社)へ移動!これが怖い怖い。

PING本社フィッティング研修レポート 写真2 PING本社フィッティング研修レポート 写真3

PING本社フィッティング研修レポート 写真4 片側5車線道路の3車線分を、一気に車線変更するので驚きました。車間距離もとても短くレーン変更も頻繁で<運転が荒い>という印象で、レンタカーを借りるのが怖くなってしまいました。

30分ほどで到着した工場は平屋で比較的小規模という印象でした。

ここではクラブヘッドを鋳造方式で製造し荒研磨&熱処理までが担当の様です。

PING本社フィッティング研修レポート 写真5 午前9時にドルフィン社工場見学開始。見学者一同防護メガネをかけて鋳造(ロストワックス製法)工場へ。

ヤマハで働いているとき、タイの子会社や台湾の外注で同じような工場に出入りしていたので、とても懐かしい臭いと風景で、昔の事を思い出してしまいました。懐かし~

働いている人の作業レベルや工程管理は、台湾の超一流クラブヘッドメーカーの方が上かもしれないと感じました。しかし、この工場はピンのクラブヘッドしか製造していないので、本社からの指示を守り大切に生産していると感じました。効率やコストを追うだけでなく ヘッド作りへの愛情を感じました。

PING本社フィッティング研修レポート 写真6 まずは溶けたワックス(ろうそくのロウに近い)を金型に射出して、ヘッドの形状に成型。

PING本社フィッティング研修レポート 写真7 この時点でのキズや変形は製品に直結するため、仕上がりは大切。次に溶かした鉄が流れる道の役割を果たすランナーに取り付ける。

PING本社フィッティング研修レポート 写真8 このランナーに16個ほどのヘッドが取り付けられてている。木のように見えることからツリーと呼ばれる。

PING本社フィッティング研修レポート 写真9 これにセラミックを吹き付けていく。ツリーを液体につけ込み。

PING本社フィッティング研修レポート 写真10 次にセラミックの粉を吹き付ける。

PING本社フィッティング研修レポート 写真11 一定時間乾燥させて、この作業を10回近く繰り返すことでセラミック層が厚くなり、鉄を流し込んでも壊れない強度になる。

PING本社フィッティング研修レポート 写真12 ここまで来たらワックスが溶ける温度まで暖め、セラミック型からワックスを流し出す。これで鉄を流し込む準備が完成だ。

PING本社フィッティング研修レポート 写真13 流し込む型が完成したので、大きな釜でステンレスを溶かし型の中に流し込みます。

PING本社フィッティング研修レポート 写真14 ステンレスの温度は約2000度。水分などが入ると爆発する危険な作業です。全て手作業で命がけですね。この風景もどの工場も同じと感じました。工場内でもここの部署で働く人の給与が高いのは言うまでもありません。

PING本社フィッティング研修レポート 写真15 ステンレスが注がれた後は台車に乗せて自然冷却します。固まるときにヘッドは激しく収縮しますので、セラミック型にはひび割れが発生します。この収縮を見込んでヘッドのワックスは大きめに製作されています。

PING本社フィッティング研修レポート 写真16 常温になったらツリーごと大きなハンマーで叩いてセラミックの殻を落とします。この段階で出来上がったヘッドが見えてきます。

PING本社フィッティング研修レポート 写真17 ランナーにくっいているヘッドを切り離します。複雑な形状なので、これも全て手作業で、結構厳しい仕事です。

PING本社フィッティング研修レポート 写真18 切り離した部分の出っぱりをサンダーで研磨して綺麗にします。ここま来てやっと完成品に近いイメージになってきました。

PING本社フィッティング研修レポート 写真19 ランナーから切り離されたヘッドは、フェース面の平滑度を全数検査して、規格より凹凸があるヘッドは大型プレス機でプレスして修正します。なかなか厳格で、台湾のメーカーはここまでしないという印象でした。

PING本社フィッティング研修レポート 写真20 最後に再度、オートクレーブ(写真の丸い機械)で真空にして高温で熱処理します。この行程がしっかりしているので、PINGのアイアンはステンレスながら角度調整が可能になっているのです。素晴らしい~♪

この行程で、ドルフィン社での作業は終わり。出来上がったパーツは、車で1時間ほど離れたカーステンマニュファクチュアリング社(これはピン本社の正式名称なのかな)へ送られるそうです。

PING本社フィッティング研修レポート 写真21 PING本社フィッティング研修レポート 写真22

我々はドルフィン社からピンの本社工場へ移動です。本社前ではピンマンがお出迎えしてくれました。PINGのグリップなのどにマークとして入っているものです。初代のお孫さんが、ゴルフをしているジイジの姿を粘土細工で作った人形が原型になっているそうです。工場内に入り、ラインを順番に見学しましたが、撮影禁止で写真がありません。

一番感じたことは『小さな部品までも自社で生産するコダワリ』でした。こんなものまで自分で作っているのか!と言う感じです。

小ロットの生産に対応したラインで、大切に生産している感じを受けました。ただし、ライロフトの調整でネックをつかんでヘッドを大きなゴムハンマーで、ぶっ叩いているのには驚きましたが…

アイアンとパターは100%この工場で生産されている様です。ドライバーとFWは中国工場で生産されているクラブヘッドを組み立てている様です。

総合的な感想は、この工場ではゴルフクラブを工業製品と言うより、道具として生産しているという事です。売れ過ぎると急激な増産が出来ないのが心配ですが…

PING本社フィッティング研修レポート 写真23 アメリカンスタイルの昼食を取り、近くにあるR&Dセンターへバスで移動。

結構大きな道路に面していて、300ヤード以上打てるフィールドが見えてきました。こんな良い場所に…。いかにピンが古くからここにあるか感じました。

PING本社フィッティング研修レポート 写真24 まず中に入ると、建物内にプレーヤーが試打できる打席があり、いろいろな測定器が目に付きました。

そこは、VIP専用のフィッティングルームとのことでした。ツアープロやマイケルジョーダンのような有名人が出入りしているようです。

PING本社フィッティング研修レポート 写真25 さらに奥へ進むと、スイングロボットが設置されたスペースが。

ロボットを使った測定やシュミレーションの専門家が、詳しく説明をしてくれました。写真のこのロボットは、ピン社としては3台目のロボットで、ピンマンと呼ばれていて、つい最近稼働し始めたとの事。

テークバック時にはフェースを開く様に腕の捻転動作が入り、ダウンではフェースが閉じるように動きます。インパクト前に、手首のリリース動作が入るようになっています。私もたくさんのスイングロボットを見てきましたが、一番理想のゴルフスイングに近い動きができるロボットと感じました。

アメリカでは腕のローテイションは必要という意見が大勢を占め、日本のゴルフスイング理論とは違いを感じました。私の考えるゴルフスイングにとても近いです。

PING本社フィッティング研修レポート 写真26 打ち出されたボールはトラックマンと呼ばれるレーザー追跡装置(これは軍事技術が民間へ流れてきた装置とのこと)で計測され、弾道計算を経て画面に表示されます。

PING本社フィッティング研修レポート 写真27 PING本社フィッティング研修レポート 写真28

画面の数字で驚いたのは、ミート率が1.5を超えていること。従来の理論では1.5以上はあり得ないことでしたので驚きでした。さらに画面に表示されている落下角が大切と説明を受けました。この角度が45度以上になると、ランが、ほぼ0メートルになり、トータル飛距離がロスするとの事。私も気付いている事ですが、改めて大切な要素と感じました。

ボールは全てタイトリストのPRO V1を使用していました。理由は、製造上のバラつきが少ない、プロの使用比率が高い、トータルの信頼性が高い、と言う事でした。驚いたのはロボット測定には、新品ボールを1度しか使用しないとの事。かなりこだわっています!

PING本社フィッティング研修レポート 写真29 次にヘッドとボールの衝突シュミレーションのソフトを見学しました。これは有限要素解析ソフトの一種と理解しました。車の衝突をシュミレートする映像をテレビ等で目にすることがありますが、同じ類のものです。

この解析にはボールの要素をどのように考えるかが大きな問題になります。ボールは金属のような弾性変形でなく、粘弾性変形という現象が起きますので、とても難しいそうなのです。解析に使用しているのはロボットテスト同様プロV1。 相当研究して高速度カメラで測定した数字と、ほぼ同等のシュミレーション結果が得られるようになったとの事でした。これは凄い事です。 ここまでV1でテストしているとなると、PINGのゴルフクラブのベストマッチは、このボールしかないですかねぇ~

PING本社フィッティング研修レポート 写真30 次に案内されたのが、パターをフィッティングする施設でした。高速ビデオが2個設置されていて、実際に打ったボールの回転やヘッドの入射角を確認しながら、ライ角やロフト角を決めるそうです。

インパクトしてボールが跳ねている状態はロフトが少なすぎる、インパクトロフトが最適化されているとカップイン率は大幅にアップするそうです。パターだったら普通の家庭用ビデオでもシャッタースピードを上げると、ボールの回転やインパクトロフトが確認できますね。

PING本社フィッティング研修レポート 写真31 横には実験に使っていると思われるストローク・ロボットがありました。ヤマハで設計部門に在籍していたときに、同じようなロボットを使っていろいろ実験していたので、とても懐かしい感覚でした。

PING本社フィッティング研修レポート 写真32 その施設での最後の部屋へ案内されて驚きました。金色のパターが棚に一杯並んでいる部屋があるのです。

これはUSツアーでPINGパターを使用して優勝したプレーヤへ送る、ゴールドパターのレプリカだそうです。この部屋に並んでいるパターは金メッキだそうですが、選手に送られるゴールドパターは本物の金塊で出来ているそうです。欲しい…

PING本社フィッティング研修レポート 写真33 当然、優勝時に使用していたモデルで精巧に作られています。美しい!

これで長い一日が終わりました。ちょっとハードすぎ!疲れたな~…

PING本社フィッティング研修レポート 写真34 現地、米国2006年1月23日
早朝からPING社の経営陣との懇談会。現会長。現社長を初め、偉い人がみんな集まったと言う感じでした。

会話の中では、日本市場は有望で期待しているようだが、日本がどんな市場環境かは情報も理解も不足していると感じました。少なくとも日本人の話を聞いてみようと言う気持ちがある事はわかったので、これから大きく変わるかもと感じました。

懇談が終わり、現会長とピンパターの第一号試作品ともに記念写真。

PING本社フィッティング研修レポート 写真35 その後、アイアンフィッティングの講義が3時間!これがきつかった。内容は良くわかり参考になる事が多かったです。

PING本社フィッティング研修レポート 写真36 午後は車でムーバレーCGへ移動して練習場でアイアンフィッティングの実践です。普段やっている事に近いので、それほど苦にはならなかったのですが、野外での活動はとにかく喉が渇く…。聞くと湿度が10%前後との事。少し会話をしただけで喉がからからです。

アメリカの練習場らしく、全面芝の打席から2ピースボールで打つ感覚は最高です。日本の都市近郊にそんな練習場が欲しいですねぇ。

研修が終わり、一緒に参加していた方々は日本に帰られましたが、私は一人の残って、現地のお店の視察やゴルフをしてきました。

PING本社フィッティング研修レポート 写真37 PING本社フィッティング研修レポート 写真38

せっかく来たので少しは観光もと考えて、滞在しているフェニックスから車で2時間くらいのセドナ(昔こんな名前のパターがあったな)へ行きました。朝日が登る時間に到着と考えて、出発は午前5時。高速道路I-14を北へ向かいました。1時間も走ると照明もなくなり、横を走るのは大型車ばかりで怖かったです…。到着したら綺麗な景色で感動しました。来て良かった!

PING本社フィッティング研修レポート 写真40 適当な場所が見つからないので、マックで朝食と思い探しましたが、馴染みの看板がなかなか見つからない。

PING本社フィッティング研修レポート 写真41 15分ほど迷走してやっと発見!

周りの景色とマッチするように考えられたショッピングモールの中で、景色にとけ込んでいたので、目に付きにくかったのでした。でも良いですね!こんなマックが札幌にあっても良いかな!

PING本社フィッティング研修レポート 写真39 フェニックスへの帰り道も景色の良いところがたくさん!もう少し走ればクランドキャニオンですから、当然と言えば当然です。

PING本社フィッティング研修レポート 写真42 PING本社フィッティング研修レポート 写真43

PING本社フィッティング研修レポート 写真44 疲れた脳が癒される感覚でした。リタイヤしたらこんな所で暮らしたいと思いました。

今回の研修は、非常に特別な研修で、日本からわずか数名が選抜されて行きました。とても充実した研修になりました。やはりゴルフクラブが産まれる環境を知る事に、大きな意義を感じました。

私もPINGばかりを売っているワケではありませんが。このコンセプトに合致するゴルファーには、お勧めしたいと思っています。

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