ゴルフクラブ選び方の基本
ゴルフグリップの選び方
ゴルフグリップの種類
私たちはシャフトの“しなり”やインパクトの衝撃を、グリップを通して感じています。
グリップを軽視している人が多く見られますが、実は大切なものなのです。グリップの種類を変えるだけで、ゴルフクラブ全体が別のもののように感じることすらあります。
グリップの違いを、簡単にまとめると以下のようになります。
コードグリップ
構造 | 糸が練り込んである |
---|---|
摩擦 | 高い |
グリップの感触 | グリップが固く感じる |
シャフトの感じ方 | シャフトが固く感じる |
お勧めできる手の状態 | 手に汗をかきやすい方 |
ラバーグリップ
構造 | ゴムのみ |
---|---|
摩擦 | 普通 |
グリップの感触 | グリップが軟らかく感じる/しっとり吸い付く |
シャフトの感じ方 | シャフトが軟らかく感じる |
お勧めできる手の状態 | 手が乾燥しがちな方 |
自分の使っているゴルフクラブのシャフトが軟らかく感じて、しっくりこない方は、コードグリップに交換してみると、シャフトが硬く感じて振りやすくなります。
また、ラバーグリップが装着されたゴルフクラブは、シャフトを軟らかく感じます。現在使っているゴルフクラブのシャフトが硬く感じて、しっくりこない方は、ラバータイプのグリップに交換してみると、シャフトが軟らかく感じて振りやすくなります。
手のひらの状態で選ぶのもお勧めです。緊張で手のひらに汗をかきやすい方は、コード・グリップを選んだ方が滑りません。反対に手のひらが乾燥している方は、ラバーグリップを選ぶと手も傷まずにシッカリ握れます。
ゴルフグリップの太さ
ゴルフクラブのグリップにはサイズがあるのをご存じですか?
M58・M60・M62のように表記されているのがサイズです。
M58は肉厚で、装着するとグリップが太く仕上がります。M60・M62と、数字が大きくなるごとに薄肉になり、グリップが細く仕上がります。近頃のクラブはシャフトが太いので、M62を装着しても太めに仕上がってしまう場合もあります。
一般的にはグリップを握ったときに、親指を除く指先が、手の平に軽く触れる状態が良いと言われています。
グリップが細すぎると、しっかり固定するために強く握らなければならず、ゴルフスイング中の力みにつながります。太すぎてもいけません。自分に合った仕上がりを意識して選ぶ必要がありますので、注意しましょう。
ゴルフでグリップは軽視されがちですが、ゴルフクラブの性能に大きく関係してきます。
安い割に効果が体感できるお勧めチューンナップです。
ゴルフグリップのバックライン
ゴルフのグリップにはバックラインと呼ばれる、出っ張りの有り無しが選択できるモデルが一般的です。
バックライン無しはグリップが真円になっていて、グリップを握ったときに、11時側にずらして握っても、1時側にずらして握っても、突起物がないので違和感を感じません。
バックライン有りはグリップがティアドロップ型になっていて、体側に突起の部分がくるようになっています。
一見、見た目にはわかりにくいのですが、バックラインは手を添えるときのガイドラインになり、毎回同じ場所にグリップをしやすい形状です。また、突起が手の内側に軽く引っかかりますので、握ったときの安心感につながり、愛用者が多い形状です。
特別な理由がない限りは、バックラインありをお勧めしています。
ゴルフグリップの重量とバランス
ゴルフのグリップにも重量があり、装着したグリップの重量に応じて、ゴルフクラブの先端側が重く感じたり、軽く感じたり変化します。
ゴルフプライドという世界トップシェアメーカーから出ているツアーベルベットというモデルを前提に話すと、ラバータイプの標準重量は52.5g。コードタイプは50.5gと、全体的にコードタイプの方が軽くなっています。
この差は糸が入っているから軽いというよりも、設計の違いと考えた方がいいのですが、いずれにせよグリップの重量が4g変われば、バランスが1ポイント変わります。グリップが4g軽くなれば、D1バランスのクラブがD2バランスに変わり、ゴルフクラブのヘッドが重く感じます。
4gは1円玉4枚分の重さでわずかなものと思われますが、シーソーの先端側の重さが4g変わることで、物理的な変化は確実に起こっているということです。
ただし前記のとおり、グリップ自体がねじれやすいかどうかに応じて、シャフトが硬く感じたり、逆に柔らかく感じたり変化しますので、バランスや総重量の数字ばかり追いかけても意味がありません。数字オタク度とハンディーキャップは、あまり連動していないように見受けられます。
必要に応じては30g台の軽量グリップというものもありますので、用途に応じて使い分けることができます。
ゴルフグリップの手入れ、劣化
ゴルフクラブのグリップは消耗品です。たとえ使っていなくても、2年くらいで硬くなり、滑りやすくなってきます。
原因の一つはオゾン劣化と呼ばれる現象で、空気と触れているゴムに必ず起きる現象です。身近な物では、タイヤやワイパーも同じことが起こっています。
もう一つの原因は、手の油分がゴムの表面に吸着して、それが酸化することでツルツルのパキパキに変化する原因でもあります。
長持ちさせたいのであれば、こまめに中性洗剤を使ってブラシのようなもので良く洗い、油分をしっかり落とせば光沢のあるような状態には変化しにくいので、気になる方はお手入れしてみるといいでしょう。
ゴルフグリップの交換方法
ゴルフクラブのグリップ交換の方法を探している方もいらっしゃると思います。グリップ交換は一見誰にでも簡単にできると思われがちですが、シャフトの特性やグリップの太さ、ゴルフスイングする方の振り方や、手の大きさ、太さなどで特殊な調整が必要なことはあまり知られていません。
例えば、ダイナミックゴールドなどでは、ちょうど右手のグリップの位置に、シャフトがくびれるステップがきます。そのまま挿すと右の部分が細くなってしまうので、その部分をきちんと2枚巻き、3枚巻きにして補って管理しないと、右手の握りが甘くなることで、自分の思った動きにならないというのはハッキリあるので注意した方がいいでしょう。
また、バックラインがある場合などは、センター出しは大変重要な作業で、コレが狂うとゴルフスイングに大きく影響します。
ゴルフは0.5度、1度の角度で、結果が大きく違うスポーツです。グリップ交換に際しては正しい知識を元に、その方に合った最適なグリップの種類、装着方法で処理されることをお勧めします。
SGAゴルフレッスンスタジオには遠方から宅急便でわざわざゴルフクラブを発送されて、グリップ交換だけをされる方もいらっしゃる程です。ゴルフクラブと体の接点であるグリップは、想像以上に様々な役割を担い、様々な影響があるパーツなのです。
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